「夏休み親子釣り教室&食育講座」がこのほど、東京都品川区にある「旗の台つりぼり店」で行われた。近くの小学校に通う児童らとその親の8組13人が参加した。釣りは数回という子どもが多かったが、銭湯を改造した水槽に放たれているコイを相手に奮闘した。釣りを楽しんだ後は教室でインストラクターも務めた「おかまり」こと、国内屈指の女性アングラー岡田万里奈の食育講座で、魚と食について学んでいた。
誰かが釣り上げるたびに、歓声が上がった。男湯の水槽には20センチ前後の小型、女湯には最大60センチ、2キロはあると思われるカラフルなコイがいっぱい泳いでいる。中には母親が釣った獲物を子どもがタモですくうといった見事な連係プレーも見られた。約2時間の実釣の間、スタートからしばらく釣れない「出遅れた組」の子どもたちもいた。そこはおかまり先生の的確なアドバイスを受け、前半の1時間ほどで子どもたちはそろって目指すコイをゲットしていた。
この教室はこれで3回目。地元の新聞販売店「ASA武蔵小山」(西山信之介所長)と日刊スポーツがコラボした。区域内に「旗の台つりぼり店」があり、釣り好きの柳田久光店主の協力を得て実現した。獲物のサイズの違う水槽に対応したノベザオに仕掛けが用意してある。練り餌を使ったウキ釣りで、ウキ下も調整してある。針先の返しもないため、すぐ外せる。何よりも猛暑もゲリラ豪雨も避けられるのがうれしい。
「グリーンピース大に練り餌を自分で練って、針先を隠して投入してください。ウキがスーッと沈んだら軽く手首を返して、サオの弾力を利用して水面にコイを浮かせ、タモを入れてすくってください。釣れた魚は水槽に戻してください」(柳田店主)。
釣る前にこんな説明を受けた後、早速サオを入れ始めた。大半は海や川、管理釣り場などで数回釣りの経験があるといっても、釣り堀は勝手が違う。
「食った!」。大声で叫んだはいいけれど、カツオの一本釣りよろしく大きく合わせてしまう。水面にタモを入れて回収するどころか、こいのぼりのようにオレンジ色のカラフルなコイが宙を舞う。針がかりしたはいいけれどすっぽ抜け、力任せに抜き上げてのハリス切れなどが多発した。
釣り場がたたかれて獲物もスレ始めると、警戒心が強くなって食いもひと息となる。子どもたちも集中力が切れ、飽きてしまうもの。グリーンピース大が理想とされていた練り餌も、いつしかビー玉や梅干しの種のような大きさになっていた。
「活性が低くなったからといって、餌を大きくするのは逆効果なんです。大きければ大きいほど落下速度が増すし、水中で溶けやすくなる。流れを受ければより早く溶けてしまい、餌を取られたと勘違いしてしまう。また、大きな餌をつける。これでは負のスパイラルになってしまいます」(柳田店主)。
やはり、そこは初志貫徹。グリーンピース大であきらめず、粘りと頑張りで釣り続けた組に分があった。
11匹を釣り上げて見事サオ頭となった西山心勇人(しゅうと)君(小6)は釣り堀で3回、アジ釣りを1回経験しているという。「ウキが沈んで針にかかった魚を上げた時が楽しかった」と笑顔を見せた。8匹で2番手の富田理仁(りひと)君(小3)は、この教室の2日前に家族で静岡・伊豆を訪れ、ニジマスを5匹釣ったという。「今回は大きいのが釣れた。サオがしなって緊張した。また、やりたいです」と目を輝かせた。
このほか、親子で「楽しかった」と声をそろえる人が多かった。中には、「こんな近くにあったんですね。地元だしまた来ますよ」と帰り際に声をかける人もいた。誰もが釣りと魚に触れ合う、いい夏の思い出になったに違いない。【赤塚辰浩】
おかまりが、釣りの先生の後は食育講座の先生に変身した。まずは魚と栄養について解説した。「サバ、イワシ、サンマ、アジなどの青魚に多く含まれるDHAは頭の働きを良くしたり、血液をサラサラにする効果があります。タンパク質やビタミンD、カルシウムも含んでおり、体を作ったり骨を強くしてくれます」と、効果を強調した。
さらにマナーにも言及。「いただきます」という言葉の意味について、「命をいただきますということです。感謝して、骨以外はきれいに食べてください」とお願いした。
戦前生まれの人の中には、魚をきれいに食べる人が多かった。それを「ネコもまたいで通る」という褒め言葉で表現した。子どもを育てる時には、ご飯粒をお茶わんに残さないのと同様に、「魚をきれいに食べないと親が笑われる」と厳しくしつけていた。「残さずきれいに食べる」は、これから先も守ってほしい食育マナーでもある。
最後におかまり先生、とっておきの食べ方を伝授した。「魚の刺し身を、焼き肉のたれであえるとユッケのような味になります。1度試してください」と推奨。これにはお母さんたちが感心し、関心を示していた。
実はチャットGPTを使って、構成をまとめた。初の食育講座を終え、ホッとした様子だった。
▶釣り堀 旗の台つりぼり店=【電話】03・6426・9271。http://www.yanagidakoumuten.com/
▶交通 東急大井町線荏原町駅か、東急池上線旗の台駅から徒歩約6分
▶入場料 貸しザオ、餌付きで1時間あたり中学生以上1200円、小学生以下900円、付き添いの保護者300円
▶営業 土・日・祝日の午前10時から午後6時












