私たちを怒らせる理由は「~すべき」に象徴されるコアビリーフにあるという話をしました。ふだん意識することはありませんが、私たちは実に多くの「べき」を持っています。

 「残業してでも仕事を終わらせるべき」「車間距離は○メートルは取るべき」…仕事でもプライベートでも行動の多くは何らかの「べき」で裏付けられています。

 自分がどんな「べき」を持っているか、記録してみることをお勧めします。自分がどういうことで怒りやすくなるのか傾向が分かるからです。これを「べきログ」と言います。ログは記録のことですね。

 「~すべきだよね」「~すべきじゃないよね」と思ったものを全部記録していく。例えば、私はどんなに暑い日でもワイシャツは長袖を着るべきだと思っているんです。単純にスーツの裏地が汗でぬれるのが嫌だからなんですが、そんなものでも記録してみる。

 そして書きだしたら、重要度で5段階をつけてみて下さい。5はその「べき」が裏切られたら、すぐに怒ってしまうような強いこだわりです。1はちょっとした個人のこだわりです。私の長袖のワイシャツのようなものです。他の人が長袖シャツを着ていなくても別に気にもならない。ただ、自分が行動するとき、何となくそう思っていることです。

 書きだした「べきログ」が、あなたのコアビリーフです。自分にどんな「べき」があるのか見えてきます。上司、同僚、部下など対象別に考えると、対象者によって「べき」が違うこともあるかもしれません。自分のこだわり、どんなことに腹を立てやすいか分かるはずです。