先日、当コラムで取り上げた、働く女性の五感ストレス。挙げられたストレス項目30項目のうち、上位10項目が「視覚」にまつわるものだったが、今回はそんな視覚ストレスによって引き起こされる症状の「疲れ目・ドライアイ」について言及してみたい。

調査(※)によれば、全対象者14万人のうち、実に男性51%、女性63%が疲れ目・ドライアイを感じていると回答。共に半数を超え、女性が男性を上回る結果となった。中でも重症と思われるのは、「お金をかけて対処している人」の割合(以下、疲れ目重症者)。通院や市販の目薬、マッサージによるアイケアなどで対処している人は、男性10%、女性15%と、全体の1割強いることがわかった。

▼疲れ目・ドライアイの原因は、生活習慣や趣味など、さまざまな要因と組み合わせて考える必要がある。そこで「通勤時間」「残業時間」との関連を分析したところ、意外な事実が明らかになった。全体と疲れ目重症者を比較すると、残業時間が長いほど疲れ目重症者が増加するかと思いきや、男女とも大きな差は見られない。しかし通勤時間の長さが「1時間以上」の場合から疲れ目重症者が全体平均値を上回りはじめ、「通勤時間2時間以上」の人では、全体平均値の2倍以上の割合で疲れ目・ドライアイであると回答している。

▼ここから推測される原因は、ズバリ、通勤時間を利用したデジタル端末利用の増加だ。「ウェブサイト閲覧」「動画視聴(テレビ、スマホなど)」の利用時間の分析では、利用時間が「3~4時間」以上から、疲れ目重症者の割合が全体平均を大きく上回ってくる。先の「通勤時間」との関連性を考えると、この長時間の使用には通勤時間が影響している可能性が考えられるわけだ。

疲れ目・ドライアイの症状を訴える人は、低ストレス者の場合、男性23%、女性34%と、症状者全体平均よりぐっと少ない傾向に。目の酷使の点からもストレスオフの点でも、通勤時間は液晶画面を見つめる以外に費やすほうが健康に良いということだ。

※男女各7万人を対象に行った「ココロの体力測定2018」調査(メディプラス研究所)。