医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第9回「コロナ自粛中に血糖値をあげるな」

◆糖尿病は致死率が高い

WHO(世界保健機関)の発表によると、新型コロナウイルスで糖尿病の人の致死率は9・2%と高く、とても怖いのです。コロナと闘うには、血糖値を上げないことです。カロリーオーバーが続くと、糖尿病が発症してしまいます。これを防ぐためには、やはり運動が大事です。

◆社会的距離を保って運動

イギリスのバース大学の研究によると、朝食前と朝食後に運動する2つのグループに分けて調査した結果、朝食前に運動したグループの方が2倍も脂肪燃焼量が多く、血糖値も低かった。

朝食前の空腹の状態で運動すると、筋肉組織に蓄積された脂肪組織を燃焼し運動エネルギーに変える働きが活発になることで、脂肪燃焼が良くなるのではないかと推測されています。朝食前に外で太陽に当たりながら、スクワットがおすすめ。外でスクワットする時は、人と2メートル距離をとるソーシャルディスタンスを忘れないで。ランニングの時は、5メートルの距離が安全です。

◆朝の運動は意志決定能力を改善

オーストラリアのベイカー研究所の論文によると、朝の運動が高齢者の意思決定能力などの認知能力を改善させるといいます。朝の運動により、記憶力、意思決定能力、集中力など、全般的な認知機能が向上するということが明らかになりました。

◆1時間に2分運動

また、ずっと座り続けているよりも、合間に軽い運動などを取りいれることで、短期記憶の能力が高まるとも発表しています。コロナ自粛中、1時間に2分、スクワットやかかと落としをするのが、最適です。