医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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◆コロナ騒ぎで認知症が増える

コロナ騒ぎの中で、ぼーっと自粛生活をしていると、中年の人でも認知機能が落ちてくる心配があります。

コロナを日本が克服した後、認知症発生の多さに驚くかもしれません。

慢性炎症が怖いのです。弘前大学の若林孝一教授は認知症などの神経難病の病態解明を研究している病理学者ですが、彼と講演をしたときに、「アルツハイマー型認知症のはじまりは、慢性炎症」と話してくれました。

◆慢性炎症は万病の元

さらに、慢性炎症は高血圧や糖尿病、脳卒中、肥満、高コレステロールといった、認知症リスクを高める病気の発症にもかかわっています。

もちろんこれらの疾病は、新型コロナの重症化率も死亡率も高めます。認知症予防は、コロナ対策にもなるということです。

◆野菜と運動

慢性炎症を防ぐのは2つ。運動と野菜。物覚えの悪くなった鎌田は1日350グラムの野菜をとるようにしてきました。さらに、鎌田式スクワットと、かかと落としを続け、体重8キロ減、ウエストは9センチもスマートになりました。自粛生活で運動不足がいけないのです。

◆10分間の運動でいい

サラリーマンも頭のキレを良くするために、運動をしましょう。カリフォルニア大学の論文で、10分の運動で、記憶の中枢である海馬が活性化すると言っています。

鎌田は運動と減塩と野菜摂取で、136~84というボーダーラインの血圧が2年で106~74と完全に正常になりました。認知症のリスクも少し低くなったと思っています。血圧のことも、この後で詳しく書きます。