医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第33回「複数の発酵食品の組み合わせ」

◆自然免疫に注目

免疫システムには、自然免疫と獲得免疫があります。パワーが強いのは、獲得免疫。このためにはワクチンが必要。新型コロナのワクチンができるまでは、自然免疫もバカにできません。実はコロナ対策だけでなく、認知機能にも関係していることがわかっています。

◆免疫の中枢は腸

国立長寿医療研究センターは、腸内環境が認知症に強く関連があるとする論文を発表しています。腸内の細菌状態が脳の炎症を引き起こす可能性があるといいます。

物覚えが悪くなった医師のぼく自身が注意していることです。腸内細菌の善玉菌を増やすために、発酵したものを毎日食べるようにしています。納豆、みそ、チーズ、ヨーグルト、こうじなどです。

◆高齢者ほど発酵食品が必要

老化にともない、善玉菌は劇的に減ってしまうので、中高年は特に腸内環境への意識を高くする必要があります。発酵食品は、腸内環境をよくして免疫力を高め、認知症をはじめとしたさまざまな疾患のリスクを抑えてくれます。

◆自分流発酵食品の組み合わせ

納豆+キムチもいい。鎌田のオススメは、納豆に泡盛から造ったもろみ酢を入れて食べる。異なるもの同士の組み合わせは、腸内の善玉菌を活性化するといわれています。味の相性もいいので、よりおいしさもアップします。

納豆は、産地やメーカーが違えば菌のタイプが異なるので、同じ銘柄のものを食べ続けるより、ときどき違う産地に変えるのもいいのです。さまざまな発酵食品を楽しみながら、腸を元気にしましょう。