医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。

71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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◆認知症の多くは予防できる

英国の医学雑誌「Lancet」の2017年の発表によると、認知症になる3大リスクは、高血圧(1・6倍)、喫煙(1・6倍)、糖尿病(1・5倍)。つまり、生活習慣の改善によって認知症は予防できるのです。

同時にこの3つはコロナの致死率を高めています。今こそ、禁煙、減塩、血糖値を上げない生活をしましょう。

◆社会的インパクト投資SIB

佐賀県で健康づくりの鎌田塾をしています。塾生が1000人います。ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を利用して、認知症を減らしたり、認知症予備軍を正常化することによって、社会的コストを減らし、その分を国や自治体から頂こうと考えています。

認知症の社会的コストは14・5兆円とも言われています。これを減らすだけでなく、本人も家族も救われるのです。

◆介護費用1000万円

介護保険が必要になると、介護の期間は平均5年ほどといわれています。介護費用は、平成27年のデータで、1カ月あたり16・8万円。これを12カ月×5年で計算すると、約1000万円となります。

いったん介護が必要になってしまうと、簡単には死ねないし、お金もかかる。人生の第4コーナー回ってからがつらいものになってしまいます。

◆認知症が怖い

平成28年の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった主な原因の第1位は、認知症(18%)。第2位が、脳卒中(16・6%)です。この2つは密接に関係しています。予防策はほとんど同じ。血管を若々しく保つことが大切です。

3~5位は、骨や筋肉、口の虚弱です。骨や筋肉を鍛えることも、認知症予防にあきらかに効果がでます。コロナ自粛で虚弱になりやすいので、今こそ貯筋です。