北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏が、「ウィズコロナ時代」のロカボ(緩やかな糖質制限)について解説します。ロカボの語源は「Low(低い) Carbohydrate(炭水化物などの糖質)」。新型コロナウイルスとの共生で新しい生活様式が求められる中、食事に気を付けながら、毎日楽しく食べて健康になりましょうと、勧めています。

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ロカボ(ゆるやかな糖質制限)は、1食あたりの糖質の目安が20~40グラムです。コンビニのおにぎり1個が40グラム、ごはんなら茶わん半分です。初めての人は「エーッ」と驚き、「もう少しご飯がほしい」とこぼしますが、コツはおかずの味付け、塩分濃度を落とすことです。

ロカボは、タンパク質、脂質はおなかいっぱいになるまで食べていいのに、塩分が濃いと、食べ切れません。満腹ではないのに食べる気がなくなってしまうのです。塩分を落として、おいしく食べられるようにするには油による味付けを工夫することです。バターソース、マヨネーズ、オリーブ油、ラー油、ごま油など上手に使っていただく。そうすると、結構おかずだけでも食べられるようになります。

「そうはいっても」とおっしゃる人は、塩分過多であることを自覚していただいた上で、低糖質の主食で代替していただければと思います。低糖質食品は次々と開発され、うどん、パスタなどの麺類だけでなく、粉もの、ブランパン、ごはんなど、さまざま出ています。

ごはんでは、こんにゃく米があります。「白米を我慢してまで糖質制限したくない」「白米を食べない生活なんて」をうたっています。お米とまぜて炊くと、糖質がカットされます。もち麦を入れて炊き上げて糖質量を落としたり、大麦と米を配合した「へるしごはん」という商品も出ています。お好み焼きも低糖質のお好み焼き粉を使い、ソースを糖類ハーフに替えれば、マヨネーズは無制限ですから全く問題なく食べられます。

いかに我慢するかではなく、どうやったら食べられるかを考えましょう。低糖質食品は「ロカボオフィシャルサイト」で確認できます。調味料からスイーツまで、こんなにあるのかと驚かれると思います。