コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナウイルス感染症では、無症状の人でも血栓が生じやすく、30代~40代でも、突然脳梗塞になる症例が海外から報告されている。新型コロナに限らず、血管に血栓が生じやすい原因のひとつに高血圧がある。

「新型コロナ予防は大切ですが、高血圧でも心筋梗塞や脳梗塞のリスクは上がります。血圧管理のために、塩分のとりすぎにも注意していただきたい」と、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌医師は話す。

塩分過多で血中のナトリウムの濃度が増えると、血液量を増やしてナトリウム濃度を一定値に戻す仕組みが身体にはある。心臓は全身に血液を送るポンプで血管は血液の通り道ゆえに、塩分過多では血圧が上がり、この状態が続くと血管が変性するなどして、安静時でも高血圧の状態が続くようになる。

「高血圧は、血管の動脈硬化を加速させ、心臓にも大きな負担をかけます。心筋梗塞や脳梗塞、さらには、心臓が止まる心不全の引き金にもなるのです。高血圧を放置してはいけません」

「GoToイート」で1杯や、自宅でのデリバリーなどの料理に舌鼓をしているうちに、つい塩分をとり過ぎてしまうことはある。塩分過多に加えて、肥満も高血圧を後押しするため、体重が増えたという人は、より注意が必要だ。

「塩分は、高血圧の人は1日6グラム未満、健康な人も1日8グラム未満。食品表示の塩分相当量をチェックすることを習慣化しましょう」

料理はもとよりお菓子の塩分チェックも忘れずに。