コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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気温が下がると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなる。日頃は135/85(単位・ミリヘクトグラム、以下同)の人が、診察室血圧測定で高血圧の目安となる140/90以上というのも起こりえる。だが、たった5UPしただけでも、放置してはいけない訳があった。

「循環器の医師から見れば、血圧が『4~5』違うだけで、心臓や血管へのダメージは大きく異なります。140/90よりも135/85の方が、はるかに病気になるリスクは低い。たかが『4~5』の違いと思わないでいただきたい」とは、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の原英彦准教授。心臓病の診断・治療を数多く行っている。

高血圧の治療ガイドラインでは、診察室血圧測定で130-139/80-89は高値血圧、120-129/80未満は正常高値血圧、120未満/80未満が正常血圧。高血圧に伴う心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気のリスクが最も下げる理想的な値は、120未満/80未満なのである。ただし、160/100の高血圧の人が、一気に正常値まで下げると逆に脳や心臓への負担が重くなる。そのため、食生活の見直しや降圧薬で、段階的に下げていくのが基本。だが、中には、降圧薬を飲んでも150/95という人もいる。

「降圧薬を服用しても血圧を下げられなければ、血管や心臓への負担軽減にはなりません。主治医に相談してみてください」

血圧コントロールを意識してリスクを回避しよう!