コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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コロナ禍で「不要不急の外出を控えるように」といわれると、毎年受けていた健康診断も後回しといったことは起こる。

日本総合健診医学会と全国労働衛生団体連合会の会員機関に対する昨年9月のアンケート結果では、昨年1月から9月までの健康診断受診者数は約1400万人で、前年同月比の約2100万人と比べて、約700万人も減少した。この健康診断には、事業者健診、特定健診、人間ドック健診などが含まれる。

「昨春の緊急事態宣言時には、がん治療でさえも、緊急性の高い治療以外は手術をストップしていました。健診も夏頃から再開した医療機関が多かった。結果として、受診率が下がったと思います」と、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。がん患者や家族のサポートのため、「がんと闘う病院 都立駒込病院の挑戦」(講談社刊)を昨年8月出版した。

「がんの種類にもよりますが、1年間放置することで、早期がんは進行がんになるのは珍しい話ではありません。早期がんは治療の身体への負担も軽く予後もよいといえます。しかし、コロナ患者の急増で、早期発見・早期治療を受けられないケースも想定されます」

コロナ禍は、コロナによる重症患者を増やす一方で、通常受けられるはずの診療や、がんの早期発見・早期治療の機会も阻む。それを防ぐには、今は個人個人も感染予防を心掛け、コロナ禍を鎮めるしかない。手洗いマスクを忘れずに!

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。