コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナウイルス感染症は、無症状の人もおり、感染か否かを自己判断するのは難しい。自分は大丈夫と思っても、PCR検査で陽性となってしまうことはある。結果として、がんの手術が延期になることも。

「仮に無症状のコロナ感染の人に全身麻酔で手術をすると、術後にコロナ肺炎を発症して重篤な症状に陥ることがあるのです」と説明するのは、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。長年、肝胆膵領域のがんの診断・治療・研究に取り組み、現在院長として、コロナ感染症の患者も、がん患者も救うべく、尽力している。

「当院では、手術前にPCR法の検査を受けていただき、陽性の場合は手術を延期します。それは、患者さんご自身を守るためにも、重要といえるのです」

同病院では、1時間に2回、施設内の空気が全て入れ替え、医療従事者は必要に応じてフェースシールドの着用など、フル装備で感染対策を実施。手術前などの患者にはPCR検査を行い、陰性の場合に予定通りに手術を行い、患者を守るための体制を整えた。だが、患者が施設外で感染するのを抑制するのは難しい。

「マスクとこまめな手洗い、人と人との距離を保つソーシャルディスタンスなど、できる限りの感染対策に取り組んでいただくことが、望ましいと思います」

「自分は大丈夫」とは思わず、感染リスクは常にあり、「感染したら困る人がいる」というやさしさも、感染対策に求められている。

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。