コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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マスク習慣で口呼吸をしているとドライマウスになりやすい。唾液が減ると、粘膜の保護作用や洗浄作用、抗菌作用などが失われ、歯周病になりやすいなど口腔(こうくう)内環境は悪化してゆく。

「コロナ自粛で人と会わなくなり、話すことや笑うこと、歌う機会が減った場合も、唾液の分泌量を減らします。口の周りの筋肉を動かさないと、唾液腺への刺激が減るのです」と、栗原ヘルスケア研究所の栗原丈徳所長。「内科医と歯科医が教える 病気知らずの食べ方みがき方」(日東書院刊)などの著者で、予防歯科の啓発に尽力している。

唾液腺は、耳下腺、顎下腺(がっかせん)、舌下腺が代表格。食事や会話などで口周りの筋肉を動かすと、唾液が分泌される仕組み。ところが、コロナ禍のリモートワークや外出自粛で、人と会う機会が少なくなると、唾液の分泌量も減る。それが口腔環境の悪化を後押ししているのだ。

「1人暮らしでよくかまずに食事をしている人は、さらによくありません。意識して口を鍛えましょう」

そのひとつが「パタカラ体操」。もともとは摂食嚥下(えんげ)の衰えを予防する体操だが、舌を効率的に鍛えることができるという。「パ」「タ」「カ」「ラ」という言葉をはっきり早く、1語に対して5回ずつ、3セット繰り返す。

「唾液の量を十分に保ち、ハミガキなどの口腔ケアを行うことは全身の健康にも役立ちます。ぜひ今日から実践してください」