患者さん自身が男性ホルモンを高める“生活習慣”を実践するのが重要ポイントです。「睡眠の上手な取り方」で、少なくとも実行してほしいのは次の5点。

<1>朝目覚めたら太陽光を浴び、朝食をとる 人には体内時計があり、それは25時間周期ですが、朝目覚めて太陽光を浴びると24時間周期にリセットされます。加えて、朝食をとることで体内サブ時計もリセット。これによって、睡眠のリズムが調整されるのです。

<2>日中はしっかり身体を動かす 昼間や夕方に適度な運動をしましょう。不眠に悩む人の多くは日中にほとんど運動をしないことがわかっています。身体の疲れが睡眠には重要。

<3>眠る1時間30分程度前にぬるめのお風呂に入る 午後11時には眠りたい人は、その1時間30分くらい前までには入浴を。入浴すると深部体温が上がり、風呂から上がると1時間30分くらいで深部体温は下がり、入眠しやすくなります。そして、40度程度のぬるめのお風呂が良いのは、自律神経のリラックスモードの副交感神経が有意になるからです。

<4>深酒は控える 深酒をすると眠りが浅くなってしまいます。加えて、深酒は男性ホルモンのテストステロンも下げてしまいます。せいぜい日本酒であれば1合、ビールであれば中ビン1本程度が適量でしょう。

<5>スマホやパソコンは眠る2時間前までには終了しよう スマホやパソコンは、これがないと仕事にならない、生活ができない人が極めて多い状況に。ところが、これらから出ているブルーライトは不眠症の促進に関係しています。夜になると眠気を促すホルモンのメラトニンが分泌されますが、ブルーライトが目の網膜にあたるとメラトニンの分泌が抑えられてしまうのです。だから、スマホやパソコンを使うのは、眠る2時間前までに。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)