男性ホルモン(テストステロン)を高めて健康で充実した人生を歩むためには、自分でできる生活改善をしっかり実践することが重要です。今回は「食生活の改善<3>」で、「コレステロール」を取り上げます。

コレステロールと聞くと「健康に害を及ぼす」「動脈硬化を引き起こす」「長生きできない」など、悪いほうにばかり考える人が多い。

実は、コレステロールは細胞膜の原料となっているばかりか、男性ホルモン、女性ホルモン、生体の機能を調整する副腎皮質ホルモン、また、脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸などの材料にもなっているのです。

テストステロンの材料もコレステロールです。精巣でコレステロールを原料にしてテストステロンが作られているのです。

血液中の脂質成分にはLDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪などがあります。LDLコレステロールや中性脂肪が上昇すると、動脈硬化の原因となります。肉の脂身、マーガリン、ラードなどの取り過ぎには注意しましょう。

コレステロールを多く含んでいる食材は、スルメイカ、タコ、イクラ、しらす干し、桜エビ、生うに、キャビアなど、どれもおいしいものばかり。適度な運動とともに、良質なコレステロールを摂ることは大切です。

ただし、これらを肴(さかな)にお酒を飲み過ぎると、中性脂肪が上昇してしまいますので、ご注意を--。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)