【セルフチェックで誤嚥予防】

肺炎で亡くなる方のほとんどは誤嚥(ごえん)性肺炎だという統計が出ています。誤嚥物とともに侵入した細菌が肺や気管で炎症を起こすことがその原因ですが、常日頃から口のケアを怠らず、食事に関わる筋肉の老化防止に気を配り、適宜鍛える心がけも必要になります。

筋力の低下に加え、加齢に伴って口の中の感覚や唾液分泌なども少しずつ低下します。自分ではなかなか気づきにくい現象であるため、まずはセルフチェックをしてみましょう。

<1>食事中にむせたり咳き込んだりすることが増えた

<2>薬やサプリメントなどの大きな錠剤が飲みにくくなった

<3>食後に声がかれることがある

<4>鏡を見た時、のど仏の位置が首の下半分より下にある

<5>以前よりも食事に時間がかかるようになった

<6>生ビールのジョッキなど、上を向いて飲み込む飲み物でむせることがある

<7>話すのが苦手で、どちらかといえば寡黙な方だ

こうした項目に当てはまる数が多いほど、口やのどの機能が低下している可能性があります。つまり誤嚥のリスクがあると考えてください。

特に男性は、定年退職すると会話の数がぐっと減る傾向にあり、女性と比較して、のど仏の下がり幅が大きいというデータもあるようです。普段からしっかり声を出すことがもっともシンプルな鍛え方なのですが、自宅でできるカラオケや音読といった発声トレーニングはコロナ禍でも日常に取りいれやすい習慣かと思います。曲の中に高い音が含まれていると、のど仏がしっかり上がるのでさらに効果的です。

その他、風船やペットボトルを膨らませて戻す、ラップの芯を筒にして紙を丸めたボールを的に当てる「お手製吹き矢」など、小さなお子さんとも一緒に楽しめるような遊びが立派なトレーニングになります。