◆「学ぶ」始まりは「まねる」こと

人は、人のまねをして学ぶという習性があります。人間の赤ちゃんは、生後半年くらいすると、人のまねを始めます。

脳の中にあるミラーニューロンが、機能をするようになるからです。形や動きをまねするだけでなく、どうしてその形や動きをするのか、意図や意味を理解して、自分の体で再現をするようになるのです。

ミラーニューロンは、脳の広範囲に密接な連絡経路があることが分かっています。その1つであるへんとう体は、危険を察知したり、仲間であることを認識したり、情動反応をつかさどっています。だから、人が学んで成長していく上で、相手の存在が欠かせないのです。

「幸せのちから」という映画があります。クリス・ガードナーという、ホームレスから事業に大成功した男の実話です。

途方に暮れていた時、フェラーリに乗っている男に出会いました。「あなたの仕事は?」「その仕事にどうやってついたのか?」という2つの質問をしました。ガードナーは、成功した人のまねをして、成功をしていきます。

健康も同じです。糖尿病の方は、コントロールに成功した人の話をよく聞くといい。アルコール依存症の人は、依存症から脱出した人の苦労話を聞き、それをまねしてみることはとても大事なのです。

まねから始めて、最後に自分流の味付けを加えることが、生き方でも、健康になるためにも、成功の近道なのです。