『夏疲れの秋うつを予防しよう』

猛暑や豪雨など異常気象に翻弄(ほんろう)された今夏は、コロナ禍の生活環境の変化もあって、疲れを感じた人はいるのでは? 9月下旬の連休にはのんびり過ごすのはひとつの方法だ。ただし、その後、うつ病を発症しやすい時期を迎えるので注意が必要だ。

「酷暑で疲れ果て、連休の比較的長い休みで生活リズムが乱れ、不眠が生じてうつ病に移行する方がいます。日照時間も短くなるため、秋はうつ病を発症しやすいのです」と、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。睡眠障害やうつ病の診断・治療・研究を数多く行っている。

「日照時間が減ると、脳の神経伝達物質のセロトニンが減少し、気分が落ち込みやすくなります」

たとえば、疲れた身体にむち打って連休に突入し、ようやくホッと一息。休み明けは再び仕事に没頭しようと思う。ところが、休みが明けても疲れは残ったまま集中力も散漫となり、「うっかりミス」などを起こすことも…。

そのミスを考えると夜は眠れず、疲労や集中力の欠如に拍車がかかる。ミスを連発してひどく落ち込むことを引き金に、うつ病になることがあるのだ。

「生活スタイルが例年と異なる人は要注意です。うつ病も早期診断・治療が大切です。長引く不眠や気分の落ち込み、体調不良が続くようならば、うつ病の治療を行う医療機関を受診していただきたいと思います」

自分は大丈夫と過信して悪化させないように。周囲の人も受診のサポートを。