長期にわたるコロナ禍の影響。女子栄養大学の上西一弘教授らが行った調査では、精神的なストレスがたまっている、体力の低下や体重の増加、筋力低下などを訴える人のほか、目の疲れや睡眠の質の低下、頭痛、腰痛、肌荒れ、記憶力や集中力が低下した、冷えや関節痛がするなどさまざまだった。

「いま感染者数も減少してきていますが、一時的なコロナ禍の問題が将来的な健康問題につながっていくことが心配です。身体のコンディションバランスが崩れている状態ですが、“アフターコロナ”になったとき、将来的な健康リスクを増大させる要因にならないか心配ですね」

メンタルバランスの崩れからはじまり生活習慣病、要介護のリスク、健康寿命の短縮といった課題へつながる危険性を指摘する。

上西教授によれば、運動選手の「コンディション」は最高の能力を発揮するため精神面および肉体面、健康面から状態を整えるということを指すがふつうの人では快適な日常生活を送るため筋力や柔軟性、全身持久力などの体力的要素、そして体調を総合的に調整することをいう。

「いまから将来のことも考えて日々のコンディションを整えておくということが非常に重要です。身体の状態を整え、いつでも自分の能力を最大限に発揮できる状態をつくるこのセルフアクションは決して運動選手・アスリートのみならず、あらゆる人がとりいれるべきセルフケアのひとつといえます」