身体を整え、能力を最大限発揮できる状態にする「コンディショニング」は、コロナ禍で脅かされた身体とこころの健康に役立つといえそうだ。「スポーツ栄養学」に詳しい女子栄養大学の上西一弘教授はこう話す。

「体のコンディショニングを整えるためにはたとえば睡眠なども重要になりますが、中でも非常に重要なことは“酸化ストレス”です。酸化ストレスとは、抗酸化力を上回るほど活性酸素が過剰に発生し、体にとってよくない状態だといわれています」

酸化ストレスが身体にどのような影響を及ぼすのか。上西教授によれば、人間は酸素を外から取り入れてその酸素を使ってエネルギーを生み出し活動に利用している。一方では酸素の一部が変化して「活性酸素」となり、それがばい菌やウイルスを攻撃するのに使われる。

「酸素を健康のために利用するわけですが、この活性酸素というのが一部で私たちの細胞自身を傷つけてしまうということにもなります。この活性酸素に対してどれだけの抗酸化力を持つかが大切なのです。すなわちふたつのバランスが非常に重要で、活性酸素の量が多くなってしまうときっかけとなっていろいろと私たちの健康障害につながっていく可能性がある。つまり身体のコンディショニングには“酸化ストレスコントロール”がカギを握っているといえます」

スポーツ選手への対策は当然必要だが一般人にも重要な課題というわけだ。