肺がんは大きく2つに分けられます。

約15%を占めるのが「小細胞がん」、約85%を占めるのが「非小細胞がん」。この2つは肺がんであってもまったく別物と思ってください。

基本的に小細胞がんは喫煙している人、していた人に発生する肺がんです。そのため、患者さんは比較的男性に多く、典型的な肺がんといえるでしょう。

「2つはまったく別物」といったのは、小細胞がんは極めて増殖が速いからです。ということは、転移しやすいので早期発見がなかなか難しい。これが小細胞がんの重要なポイントです。

進行が速いので健康診断で発見するのが難しい。春の検診で肺に異常がなくても、夏にはもうがんができて、秋には症状が出てきてしまう。症状が出てしまってから発見されることが多いのです。症状としては「たんに血が混じる(血痰=けったん)」「ひどいせきが出る」「呼吸がつらい」などが多いです。

実際、私たちのところに紹介されてこられた患者さんは「春の検診では特に異常を指摘されませんでしたが、そんなに進行が速いものなのですか?」と言われる方が多いです。小細胞がんの進行の速さは、若い方に限ることなく高齢者であっても速い。その小細胞がんを次回から詳しく紹介していきます。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)