肺がんの中の小細胞がんが進行してしまった「進展型」の治療は大きく進化しました。

抗がん剤を2剤使っての化学療法だったのが、これに免疫チェックポイント阻害薬がプラスされ、進化しました。プラスされた免疫チェックポイント阻害薬は、「テセントリク(商品名)」と「イミフィンジ(商品名)」の2種類。抗がん剤2種類に、2種類の免疫チェックポイント阻害薬のどちらかを加えた3剤を使っての治療です。

その治療は3週間を1コースとして4コースで、すべて点滴投与。4週の最初の1日目は3剤を投与するので、数時間はかかります。2日目、3日目は抗がん剤が1剤のみなので、投与時間は1時間30分程度で終了です。

点滴投与の3日間は、体調が悪くなることはあまりありません。3日間が過ぎたころから「身体がだるい」「頭が痛い」「食欲の低下」「吐き気がする」などの副作用が1週間程度でることがあります。

この場合は仕事がきつくなるので、「無理をしないで休んでください」と話しますが、精力的に仕事をされている方もいます。2週間程度で自覚症状として出るものはなくなります。それを受け、1クール目の最初の1週間は入院して行うのが基本となっています。患者さんの状態を1週間チェックしていると、副作用の状態などがわかりますので、次回からの対応につながります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)