生活習慣病の4つのマーカーとは、<1>体重<2>血圧<3>血糖<4>脂質。体重は肥満を簡単に察知するのによい。その体重については、前回にご紹介しましたので、今回は血圧を紹介します。

血圧とは、血流で生じる動脈の血管壁を押す圧力のことです。遺伝的な要因や老化をはじめとして、高血圧になる原因にはさまざまなものがあります。その中でも大きな原因は食生活、飲酒・喫煙、ストレスといった生活習慣です。とりわけ食生活に関しては塩分の過剰摂取があげられます。

私たちの身体は体内の塩分濃度を一定に保つ働きがあります。ところが、年をとって腎臓の働きが低下すると、体内に少しずつ塩分と水分が引き込まれ、血液量が増加して血圧が上昇するのです。

ということは、年をとってからも塩分を過剰に摂取する食生活をしていると、血流量の増加により常に血圧の高い状態に-。これによって、血管はしだいに厚く硬くなり、動脈硬化がより進行してしまいます。

高血圧の怖いところは、本人に自覚症状があまりないところです。だから、動脈硬化の進行も気づかないうちに進み、ある日突然、「心筋梗塞」や「脳卒中」を発症してしまうのです。生活習慣の乱れをそのままにしておくことは、それらの怖い病気を自分自身が呼び込んでいる、といえます。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)