あなたの健康の資産となる4つのアセットとは、紹介してきましたように「マインド」「運動」「栄養」「睡眠」です。中心はアセットで「精神・意識」のほかに「心のあり方」と捉えてもいいでしょう。

ここまでにマインドはお話ししてきましたので、今回からは、第2のアセット「運動」に注目します。効果的に継続するためのコツを紹介しましょう。

私は患者さんに、次のように運動について説明しています。「運動は食事に比べ、意外にダイエット効果が低い。でも、運動をしないと、寝たきりにならない身体がつくれないのですよ」と。また、ウオーキングやジョギングなどの運動のメニューを決める時も、患者さんが考えたものの中から、本当にできそうなものを選ぶようにしてもらっています。

それは、運動の「やり方」を決める前に「あり方」に注目することが大切だからです。残りの人生の中に、どのように運動の要素取り入れていくのか--。つまり、「あり方」が個々のプランにつながるのです。

「運動は1人で行った方がいいのか」「ほかの人と一緒に行うほうがいいのか」。また「運動を楽しむのか」「将来の寝たきり予防としてのみ行うのか」「忙しい中でどのように生活の中に取り込んでいくべきか」。

このように、あり方は個々で異なります。だから、まずは運動の「あり方」に目を向けてから、「やり方」を決めましょう。そして、成功体験を得て自己肯定感を高めるため、ハードルの低いところから始めるのが、運動を続けるためのコツです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)