■高齢男性には話し相手が必要

孤独であることの死亡リスクは、肥満の2倍も高く、ヘビースモーカーやアルコール依存症に匹敵すると言われています。

■人との関わりが健康に

厚生労働省の研究班が医学誌ストロークに発表した調査結果は、とても面白い内容でした。

40~69歳の男女、約4万4000人を対象に、秘密を打ち明けられる人がいるか、自分の行動や考えに賛成して支持してくれる人はいるかといった、人との関わりの多さを調べました。

その結果、人との関わりが最も少ないグループは、最も多いグループに比べて、脳卒中による死亡が1・5倍になることが分かったのです。特に65歳以上の男性では、周囲の支えが少ない人ほど、脳卒中の発症リスクが高くなりました。

■ゆるい人間関係が大事

昨年亡くなった脚本家の橋田寿賀子さんと、生前対談したことがあります。彼女は「友達はいらない」と言っていましたが、「孤独」ではありませんでした。ジムでトレーナーと仲良く会話したり、行きつけのレストランでシェフやスタッフと楽しく話したり、仕事仲間が訪ねて来ればご飯を一緒に食べる。友達でなくても、そんな付き合いが大事なのです。

アメリカ・オハイオ州立大学の研究によると、一人でご飯を食べる女性は、満足感が得にくく、太りやすい傾向があるそうです。つまり、男性は話し相手になってくれる人、女性は一緒にご飯を食べてくれる人がいることが、健康を守る上で大事だということです。