■レジリエンスが大切

11年前の東日本大震災で、石巻市は大変な被害を受けました。市内の8割近くが津波に浸水。地元紙の石巻日日新聞も、3台の輪転機が水浸しになりました。そのなかで、地方紙としての役割を果たすべく、記者たちが自転車で町中を駆け巡って情報を収集。印刷ができないので、大きな紙に手書きで記事を書き、壁新聞を発行したのです。それは、心が熱くなるエピソードとして今も語り継がれています。

先日、この石巻日日新聞の近江弘一社長を、僕のラジオ番組「日曜はがんばらない」(文化放送、朝6時25分~)にゲストにお迎えしました。

■バー・レジリエンス

石巻日日新聞創刊100周年記念事業として、ニュースの博物館「石巻ニューゼ」を作り、例の壁新聞を展示。また、その2階には、「レジリエンス・バー」を作りました。音楽ライブなどができるスペースも備えたカフェです。

僕はこのネーミングが気に入りました。つらい時にこんなちゃめっ気のあるネーミングでバーを開くなんていいですね。これこそまさに反発力を示していると思います。

■復元力を忘れないで

「レジリエンス」とは、「復元力」「回復力」「反発力」という意味です。災害対策だけでなく、心理学や健康面でも使われるようになっています。

コロナ禍で、体と心の被害がズシッと重くなってきています。長期戦の中で、自分自身にレジリエンスを忘れるなと言い聞かせるようにしています。今こそ大切なレジリエンスです。