■ダニングクルーガー効果

自分でも気が付かないうちに、認知バイアスにかけられているといいます。特に、信念や政治的な信条、好き嫌いは、自分にとって都合よく、認知(ものの見方)をゆがめるものです。

たとえば新型コロナのワクチン接種に対してもそうです。もちろん接種するかどうかは個人の自由ですが、認知バイアスという、ゆがんだ思い込みで、重要な判断ができていないとしたらとても残念です。

■思い込みの落とし穴

「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれる認知バイアスもあります。これは、ダニングとクルーガーという2人の心理学者が示したもので、成績の悪い学生は、自分を高く評価したがり、特に成績が優秀な学生は、自分を低く見積もるというものです。

人間は自分のことさえ正しく評価できないことを示しています。自分の才能や能力について、喜んだり、胸をかきむしったりしますが、そもそもが正しく自分を評価できていないのだから、自分は優秀だ、いや優秀じゃないなどと振り回される必要はないのです。

■他者の意見を聞く耳を持つ

それよりもむしろ、自分をニュートラルに保って、自分ができることに力を尽くすことが大事です。それを成し遂げたとき、本物の自信が得られるのです。

ぼくたちはこうしたさまざまな認知バイアスにとらわれがちですが、判断を誤らないためには、まず自分とは違う意見に耳を傾けること。そして、いろんな方向から情報を精査することが大事です。