ロコモティブシンドローム

「何歳まで生きられるか」(寿命)よりも「何歳まで健康で生きられるか」(健康寿命)は、現代を生きる我々のテーマでもあります。

多くの人は生まれてから子どもの間は大人の世話になり、そして最後も誰かの世話なって人生を全うしています。若い頃にはあまり考えませんが、私も50歳を超えてから最後はなるべく人に迷惑をかけないようにピンピンころりとスマートにあの世へ行きたいと思うようになりました。

もちろん長生きはしたいです。そのためには健康寿命を延ばすことが必要です。我々整形外科はこの健康寿命の延伸のために、要支援・要介護になった原因の約25%を占める運動器障害(骨折・転倒、関節疾患、脊髄損傷)の予防に取り組んでいます。

運動器症候群(ロコモティブシンドローム)通称「ロコモ」という言葉を聞いたことはありますか-。

「運動器の障害のために、移動能力の低下をきたして、要介護になっていたり、要介護になる危険の高い状態」と2007年(平19)日本整形外科学会が提唱しました。運動器とは、骨・関節・筋肉・神経など体を動かすときに使う臓器です。これらに不具合が生じると痛みや関節可動域の低下が生じ、筋力とバランス能力が低下します。

これらを原因として移動能力が低下し、生活活動の制限、社会参加の制限、要支援、要介護へと進んでいき、ロコモとなってしまいます。

次回はロコモ予防の方法をお伝えし、ピンピンころりを目指します!