■五十肩の治療

今回は五十肩(肩関節周囲炎)の治療についてお伝えします。五十肩の主たる症状は肩痛とその後に生じる関節拘縮(肩があがらないなど)です。

この症状には病期があり、急性期、拘縮期、回復期の3段階に分かれ、治療法も異なります。発症から1~2カ月ぐらいを急性期といい、可動域の制限はあまり見られませんが、夜寝ている時の痛みなどが生じます。

この時期には患部に負荷をかけ過ぎないことと、消炎鎮痛剤の内服や、時にはステロイドを注射することで炎症を抑えて症状を緩和させます。また、肩の可動域の維持は必要なので、肩関節周囲のリラックスを図るために理学療法士によるリハビリテーションも効果的です。

発症から2カ月~半年ぐらいで痛みは少し緩和されますが、肩が上がりにくくなるなどの拘縮期に入ります。この時期には肩関節の可動域を改善させることが重要で、主に運動療法(無理のない範囲で動かす)と温熱療法(温める)が有効です。

時にはヒアルロン酸注射も並行して行われます。運動療法で長期に改善しない難治例の場合には手術療法も検討されます。発症後6カ月以上過ぎると痛みが改善し、徐々に可動域が良くなってくる回復期となり、運動療法でさらなる改善を図ります。このように運動療法はどの時期にも効果的ですが、方法を間違えると悪化の危険性もあります。整形外科を受診し、その治療のプロである理学療法士のリハビリを受けて改善方法を習い、実践することをおすすめします。