気持ちのよい晴れの日だというのに、めまいや頭痛に悩まされることがある。我慢して過ごしていると、翌日には雨。このように気象の変化で体調不良を起こす気象病に陥る人は少なくないという。

「酷暑の夏から寒暖差の激しい秋を迎えて、気象病の症状がひどくなって受診される方が増えています。ほとんどの人が頭痛に悩まされ、めまい、吐き気、全身倦怠(けんたい)感、関節痛など、さまざまな症状を抱えています」とは、「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。『低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア 気象病ハンドブック』(誠文堂新光社刊)の著者で、数多くの患者を治療している。

気象病は大気圧の変化に伴い、耳の奥にある内耳や自律神経が悪影響を受けることに起因する。内耳は平衡バランスなどもつかさどるため、大気の変化で悪影響を受けると、めまいや吐き気につながる。自律神経は、血管収縮や臓器の動きなどにも関わり、やはり気圧の悪影響を受けることで、頭痛、血圧低下、倦怠感、気持ちの落ち込みなどさまざまな症状を引き起こす。

「骨格がゆがんで、首こりや肩こりがひどい人は自律神経が乱れやすく、気象病の症状が出やすくなります。外来を受診された方には、骨格のゆがみを治す運動療法と、ひどい症状を軽減する薬の併用で改善する方が多い。予防では正しい姿勢を意識しましょう」

前かがみの姿勢は気象病を悪化させると心得て、背筋をまっすぐに。