外出して冷たい外気温にさらされるうちに、心臓がドキドキして息苦しい症状に見舞われることがある。「心臓が悪いのかな」と心配になり、循環器内科を受診したものの異常なし。このような症状にも、季節の変わり目の自律神経の乱れが関係する。

「自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスをとりながら、心臓などの臓器や血管などを動かしています。季節の変わり目で自律神経が乱れやすく、交感神経が優位になって動悸(どうき)につながることがあるのです」とは「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長。「気象病外来」で、動悸や息切れの症状を訴える患者を数多く診ている。

「前かがみの姿勢で胸郭の動きが悪いと、呼吸が浅くなり、動悸や息苦しさの症状が強く出ます。心臓などに異常がないと診断されて、動悸や息切れが続く人は、呼吸を整えるセルフケアを試してみてください」

呼吸を整える方法は次のとおり。<1>背筋を伸ばして座り、鎖骨の下に両手を添えて腕を横に広げる。<2>顔を30~45度上に向ける(頭をやや後ろに倒すイメージ)。<3>口からゆっくりと息を3秒吸って、3秒止め、ゆっくり6秒で息を吐くのが1セット。<4>1セットを5回繰り返す。

「動悸や息切れは、心臓や肺などの病気のサインのこともあります。自己判断はせずに、まずは医療機関で原因を突き止めましょう。その上で呼吸法を活用してみてください」