「がん治療と食事」は静岡県立静岡がんセンターと大鵬薬品との共同研究「抗がん剤治療を受ける患者及び家族への情報処方のあり方の検討」による、「抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(女子栄養大学出版部)をもとにつくられた。がん患者やその家族に対し、がんを経験した人が、生活上で直面する課題を家族や医療者などとともに乗り越えていくために必要な情報を共有することができる心強いアプリだ。

たとえば食欲不振、吐き気や嘔吐(おうと)、味覚、嗅覚の変化、口内炎、胃の不快感、膨満感、便秘、下痢などがんを治療している際に患者が直面するさまざまな症状のそれぞれが起きる原因や対策、医師、看護師、栄養士からのアドバイスが得られるだけでなく、それぞれに適した食事メニュー、レシピ、注意点までがわかりやすく解説されている。

また、口内炎、口内乾燥などの口腔(こうくう)内のトラブルをやわらげるケアの基本点やポイントといった、具体的でより実践的な方法を知ることができる。さらに食事の記録や副作用をチェックできる記入シートはネットサイト「サバイバーシップ」にリンクしていてダウンロード後に印刷することも可能。実際の治療の場面に使える工夫が凝らされている。

(筆者の評価=3点満点)

医療者等による監修:★★★

見やすさ、使いやすさ:★★★

症状等のチェック機能:★★★

アドバイスの充実度:★★★

Android、iOS対応(Google Play・Apple Storeからダウンロード可能)/無