乳がんを早期に発見するには、やはり検査がとても大切です。前回は「マンモグラフィー検査」を取りあげました。今回は「超音波(エコー)検査」を紹介します。

超音波検査は、器械を乳房にあてながら超音波を送り、どの反射波をセンサーで受信して画像を写し、乳房の病変の有無などを調べる検査です。マンモグラフィー検査では高濃度乳房といって乳腺全体が白く写る場合があり、乳がんなどのしこりも白く写るため、がんがあってもわからないことがあります。その点、超音波検査は高濃度乳房でも、しこりと乳腺の区別がしっかりできます。被ばくもないので、高濃度乳房の多い若い女性の場合は、超音波検査だけで良いと思います。そして、40代以上の方々には、マンモグラフィー検査と超音波検査の両方受けることをお勧めます。

一方、超音波検査の欠点は、「検査技師のレベルに左右される」、「1人を検査するのに10分以上かかるので検査できる人数が少ない」、「脂肪の多い乳房だと見えにくい」など。マンモグラフィー検査、超音波検査のどちらにもメリット&デメリットがあるので、それを認識して検査を受けましょう。

自治体の行っている乳がん検診では、マンモグラフィー検査のみで、超音波検査は行わないところが多いです。しっかり検査を受けたいと考える方は、自費になりますが乳腺クリニックなどで超音波検査を受けるのが良いと思います。特にマンモグラフィー検査を受けたときに、「あなたの胸は“高濃度乳房”ですよ」と言われた方は、マンモグラフィー検査では乳がんを発見しにくいので、超音波検査を自費で追加すると安心です。これも乳がんを早期に発見する手段の1つです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)