脳は腸から生まれたと言われています。原始的な生物には、脳はなくても、生きるために栄養分を吸収し排せつする腸はあるのです。

腸には1億個の神経細胞があり、その神経細胞から脳が生まれた可能性があるとも言われています。脳には、150億個の神経細胞が詰まっています。

<幸せと腸の関係>

幸せホルモンと言われているセロトニンは、多くは腸で作られます。そのセロトニンが脳で働き、幸せを感じるのです。

脳がストレスを感じていると、不安になり、腸の働きが悪くなり、便秘になったり、下痢になったりします。こうした脳と腸の関係を、脳腸相関と言います。

腸内環境を良くすることで、認知機能を改善しようという商品も生まれています。森永ではビフィズス菌で認知対策という「メモリービフィズス記憶対策ヨーグルト」を発売しています。「ヤクルト1000」は、腸内環境を良くすることでストレスを減らし、良い睡眠をとろうという商品で、評判を呼んでいます。どちらも脳腸相関を利用しているのです。アルソアの「ジオリナ酵素」は、18種の善玉菌で免疫力を高めるとされています。ぼくは毎日飲んでいます。

<腸内環境改善>

腸内環境を良くするには、発酵したものと、食物繊維をとることです。野菜やきのこ、海藻類をしっかり食べて、善玉菌の乳酸菌や納豆菌、こうじなどを取ることで、認知症のリスクを少し減らすことができます。

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