あなたは1日に何時間、睡眠をとっていますか?

厚生労働省の国民健康・栄養調査(令和元年)によると、平均の睡眠時間が6時間に満たない人が男性の37・5%、女性の40・6%を占めています。わりと多くの人が、短い時間しか寝ていないことに驚かされます。

睡眠の質もよくなく、「日中、眠気を感じる」という人は20~50代と幅広い年代で目立っています。

なぜ、もっと睡眠時間を確保できないのか。その理由として、20代では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」、30~40代男性では「仕事」、30代女性では「育児」と回答。多くの人が眠りたくても眠れない事情を抱えていることが調査からも推測できます。

<9時間睡眠は5時間睡眠より死亡リスクが高い>

睡眠時間の長さは、寿命に影響を及ぼします。あるデータでは、7時間睡眠の人の死亡リスクを1とすると、4時間半未満の人の死亡リスクは1・8に、5時間睡眠の人は1・2と高くなります。

では、長く寝たほうがいいのかというと、そうではありません。睡眠時間が10時間以上の人は1・7~1・9と高くなります。9時間睡眠でも1・25となり、5時間睡眠の人よりも死亡リスクが高いのです。

こうしたデータから言えることは、睡眠時間を削ることは、命を削ること。ただし、長時間眠ればいいというものではなく、7~8時間ですっきり起きられる、質のいい睡眠が大事ということです。(医師で作家・鎌田實)