レーザー日帰り治療は、アレルギー反応で鼻水によってぬれて、腫れて鼻道を遮っているために、吸い込んだアレルギー物質のほとんどが粘着して、アレルギー反応を引き起こしているぬれて腫れた粘膜を局所麻酔下でレーザーによって焼灼します。腫れがなくぬれていない粘膜に変化させる事で、アレルギー物質が鼻道を通った時に粘着しにくいように変化させる治療です。言い換えればアレルギーの原因が来ても出来るだけ素通りするようにしようという治療です。この治療はアレルギー反応が出る前に行うことがベストです。アレルギー反応が出てしまっていると焼灼に時間がかかるうえ、術後のかさぶたが取れるまでの期間が長くなってしまうからです。ただし、この治療ではアレルギー体質は変化していませんので、治療をした粘膜が時間をかけて徐々に元の粘膜に戻っていくため、症状に応じて短ければワンシーズンごと、通常では2~3年に1度程度、繰り返し治療を行う必要があります。けれど体の負担も軽く、アレルゲンというアレルギーの原因物質が増えているためか、治療を受けられる方が年々増えてきています。レーザー治療を行う耳鼻科であれば施設による大差はないと思われますが、症状の重い方は炭酸ガスレーザーではなく半導体レーザーを使用されている施設の方がお薦めです。炭酸ガスレーザーではぬれた粘膜を軽くしか焼灼できないからです。

次回からはのどが原因のいびきの種類と治療に関して説明します。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。