エクソソーム(幹細胞培養上清液)治療は、20年以上前に上田実・名古屋大学教授(当時)が唱えた学説が基になっています。上田教授は幹細胞培養治療において細胞よりも培養時に産生される成長因子などが効果があり、細胞にはそれほどの治療効果は認められないと発表されました。
その頃はエクソソーム自体が知られておらず、当時の医学界はこれを認めませんでした。その後研究が進み、幹細胞培養上清液(培養した後の上澄み液)にはエクソソーム、成長因子、サイトカインなどが豊富にあることが医学的に証明され、上田教授の学説は認められることになりました。
幹細胞培養上清液には細胞が存在していないので安全性が高く、また他人の細胞でも使用できるという大きな利点があります。エクソソームの研究が活発になってから20年以上たちますが、その安全性に疑問を持つ論文はありません。つまり、大量投与が可能なのです。現在の医薬品で大量投与すれば副作用が出現します。現在、エクソソームの大量投与による副作用の報告はありません。難しい病気の患者にとって心強い事実です。もう一つの利点は他人の細胞を使用できるものの、細胞は廃棄するので他人の細胞が体内に入らないことです。羊膜(臍帯=さいたい)、若い女性の脂肪、乳児歯髄を使用し培養するのでエクソソームを始めほかの因子も活性化が高い。これも大きなポイントです。70~80歳代の方のアンチエイジング治療に効果があるゆえんです。これから具体的に我々が体験したエクソソーム治療の効果を紹介しましょう。
◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。

