休日などにテレビを見ながらみかんを食べていると、つい2個目にも手を伸ばすことはあるだろう。口寂しいと3個目にも手を伸ばし、「食べ過ぎ!」を家族から指摘されることも。来年4月に施行される「21世紀における国民健康づくり運動『健康日本21(第3次)』」では、1日平均の果物摂取量の目標が200グラムになった。みかんの大きさにもよるが、みかん2個で200グラム程度。「健康日本21(第3次)」を実践するならば、テレビを見ながらのみかん2個はOKということになる。

「すでに肥満気味で運動不足の人が、毎日みかんを2個以上食べるなど、果物をとりすぎると脂肪肝になりやすい。2型糖尿病につながるので1日1個までにしましょう」とは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。メタボリック症候群患者を数多く救い、予防医療にも力を注ぐ。

「果物の果糖は、ダイレクトに肝臓に到達して余分なものは中性脂肪に変わるのです。肝臓にたまる脂肪は異所性脂肪といって、よくありません」

本来たまるべきでないところに脂肪がたまるのを異所性脂肪という。脂肪肝もそのひとつ。結果として、肝機能の働きを妨げ、食後の血糖値を上昇させることにつながり、2型糖尿病の引き金になるのだ。

「2型糖尿病の約8割は脂肪肝を合併しています。こうなると内臓脂肪が増える一方で、メタボを進行させてしまうのです」

すでに肥満や血糖値が高いなど、メタボのリスクの高い人は、果物を控えめにした方がよさそうだ。