忙しいときには、食事をサッサと済ませ、次の仕事に取りかかることがあるだろう。サンドイッチをほおばりながら清涼飲料水を飲んで昼メシ終了。ところが、しばらくすると強い眠気に襲われて仕事どころではなくなる。この睡魔に食後の高血糖が関わるという。

「糖質を多く含む食事を早食いすると、食後の血糖値が急激に上ります。血糖値をコントロールするホルモン・インスリンが多量に分泌され、血糖値が下がります。この状態が強い睡魔の原因です」と、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。「1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法」(日本文芸社)などの著者で、メタボリック症候群の診断・治療を得意としている。

「食後の血糖値が急に上がって下がる『血糖値スパイク』になると、血糖値が急に下がったときに低血糖のような状態になって、強い眠気や倦怠(けんたい)感などの症状につながるのです。食後に強い眠気を感じやすいときには、すでに血糖値スパイクを引き起こしている可能性があります」

食後は、食べ物を消化する胃に血液が集まるため、脳への血液が減って眠気を感じやすいといわれる。一方、血糖値スパイクは、極端な血糖値変動によって強い眠気につながる。「ひと眠りしないと無理」と感じるほど眠いときには、血糖値スパイクのサインの可能性があるのだ。

「早食いはやめて、定食などをじっくり味わう時間を設けましょう。ゆっくり食べることが血糖値スパイク予防に役立ちます」と栗原院長はアドバイスする。