「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)や「慈恵大学病院の食べる『免疫力』」(世界文化社)などの監修者のひとりで、東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは患者の栄養管理のスペシャリスト。

免疫力を下げないためには暴飲暴食や過度なアルコール摂取、喫煙、疲労の蓄積や睡眠不足、あるいは過度なストレスなどの「NG行動」に気を付けたい。

「NG行動では、余計な免疫を使うことになり結果的に免疫力を下げてしまうということになるわけです。せっかく温泉に出かけても、仕事のことが頭から離れないのでは、あまり効果がありませんから、上手にリラックスするようにしてほしい」(赤石さん)。

そのうえで赤石さんは、免疫を効果的に利用し、外敵から体を守り健康を保つために、きちんとした食事を取って栄養不足がないようにすることが大事だという。

「免疫力を高めるための大前提として、まずおぼえておいていただきたいことは、バランスのよい食生活がなければ、なにもないということなんです。どれだけ体によいとされている食品、栄養素であっても、それだけ食べていても、健康な体をつくることはできません。効果的な栄養素をより効果的に利用するためにも、バランスがすべてだといっても過言ではないことはまず強調しておきたいですね」(赤石さん)。

栄養的バランスのよい食事を取ること、そのうえで免疫細胞のはたらきをより高める食材や栄養素を取り入れることが免疫力を上げるコツなのだ。では、「バランスのよい食事」とは何だろうか。