東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは、「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)や「慈恵大学病院の食べる『免疫力』」(世界文化社)の監修者の1人だ。

「きちんと食べる、ということを軽視してなにかひとつの食品ばかり食べてしまうといった食生活はオススメできません。では、なにが“きちんとした”食事なのでしょうか」(赤石さん)

まずは「3大栄養素」。その筆頭が「タンパク質」。

「タンパク質は、筋肉や臓器、血液をつくる材料となり、体を動かすエネルギーの源となります。体を動かすために必要なエネルギーは基礎代謝量と呼ばれています。食事で取る1日のエネルギー量というのは、年齢、性別により異なりますが、それに身体の活動レベルによっても変わってきます」(赤石さん)。

1日に摂取したい各栄養素は、基礎代謝量に身体の活動レベルを掛け合わせる。「基礎代謝量」は、18~29歳の男性で1520キロカロリー、女性が1110キロカロリー、30~49歳の男性で1530キロカロリー、女性1150キロカロリー、50~69歳の男性1400キロカロリー、女性1110キロカロリー、70歳以上では男性1290キロカロリー、女性が1020キロカロリーだ。年齢別身体活動レベルは男女同じ。1日の中で座っている時間が長く、体をあまり動かさない場合はレベル1、デスクワークが中心だが、運動などで少し体を動かす時間がある場合がレベル2、体を動かす仕事または運動習慣がある場合はレベル3。18~69歳のレベル1は1・50、レベル2は1・75、レベル3は2・0。70歳以上のレベル1が1・45、レベル2は1・75、レベル3は1・95とする。たとえば40歳男性でレベル2の人の計算式は、「1530×1・75=約2678(キロカロリー)」で、これを摂取量の目安とする。