免疫力を高める食事で大切なのが「3大栄養素」。筆頭は、「タンパク質」だ。東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは、こう解説する。赤石さんは「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)や「慈恵大学病院の食べる『免疫力』」(世界文化社)の監修者のひとり。

「タンパク質は、筋肉をつくりますが、体内に一度に吸収できる量は食事で摂取しなければなりません。その量は1日あたり60グラム、1食あたり20グラム程度と考えられますが、加齢により筋肉量が減少すると代謝が下がります。筋肉は摂取エネルギーを燃焼するので少なくなると代謝率が悪くなる。タンパク質、糖質、脂質が3大栄養素ですが、その摂取量の比は、約15対25対60になるような食事がバランスよい食事といわれるのです」(赤石さん)。

3つのうち、いずれかひとつの栄養素を摂(と)り過ぎたり、制限したりするとそれぞれの栄養素のはたらきを低下させて、結果的には肥満などの原因になるという。

「タンパク質は筋肉、内臓、骨、血液、皮膚、髪の毛などをつくるもとになる栄養素です。そしてタンパク質には肉や魚、卵などに含まれる動物性タンパク質と、大豆や穀類などに含まれる植物性タンパク質がありますが、タンパク質が不足すると筋肉が衰えてエネルギーの消費量が減ってしまいます」(赤石さん)。

タンパク質はプロテインとも呼ばれる。約20種類のアミノ酸から構成されていて、そのうち9つは必須アミノ酸といい、体内では合成することができず、食事から摂取することが必要な栄養素なのだ。