免疫力を高める3大栄養素の2番目は「脂質」だ。

「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)や「慈恵大学病院の食べる『免疫力』」(世界文化社)の監修者のひとりで、東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんが続ける。

「脂質は、1グラムあたりのエネルギーが9キロカロリーで、タンパク質の2倍以上です。その取り過ぎは肥満の原因にもなりますが、細胞の材料になるなどの体には欠かせない栄養素です」(赤石さん)

脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分けられる。飽和脂肪酸というのは、肉類や乳製品に豊富に含まれていて、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やしてくれる。一方、不飽和脂肪酸は、植物油や魚介類に多く含まれていて、血液をサラサラにする、LDL(悪玉)コレステロールを減らすなどのはたらきがある。

「肉も魚も、タンパク質という点ではどちらが優位ということはありません。脂の種類が違うのです。飽和脂肪酸は悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが生成されやすい。その一方、善玉といわれるHDLコレステロールを上げてくれるのが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は中性脂肪を下げてくれるという点もありますね」(赤石さん)。

たとえば食べ過ぎは良くないからといって飽和脂肪酸が多い肉を食べるのを控えすぎるというのは、栄養バランスという点からおススメできない。

「肉か魚かと偏らないで食べてほしいです。もしアレルギーなどで魚が食べられないなら肉を、それでもダメなら別のものを、というふうに不足しないように」と赤石さんはアドバイスする。