免疫力というエンジンを動かす“エンジンオイル”がミネラル。東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんによれば、マグネシウムは体内に350種類以上ある酵素のはたらきを活性化し、代謝に欠かせないという。

「ナトリウムはカリウムとともに、体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧の調整を行う。カリウムは余分なナトリウムを排出し血圧を下げる作用、酵素の活性化、筋肉の収縮補助などのはたらきがあります」。

「リン」は、骨や歯のおもな成分となる。ビタミンB1、B2と結合し、補酵素になるほか糖の代謝を円滑にする。

ミネラルの「次」に注目されているのが「食物繊維」。第6の栄養素と呼ばれている。

「食物繊維には、腸内環境をよくするはたらきがあり、便秘を改善してくれます。また、腸内での滞留時間が長いので、腹持ちがよく、食べ過ぎを防いでくれるなどのダイエット効果で注目されているのです」(赤石さん)

かつて食物繊維は、消化酵素で消化されないいわば食べ物のカスとして軽視されていたが、昨今の研究により腸内環境を整える重要な役割を担っていることがわかってきた。

「食物繊維はほかの栄養素と違って消化酵素で消化されずに大腸まで届き、腸内細菌や便の量を増やして腸内環境を整える“難消化性成分”として知られています。食物繊維をたくさん摂るほど総死亡リスクが減るということがわかってきました。そして腸内環境の乱れは免疫機能の低下につながるといわれています」(赤石さん)