免疫力を高めるために不可欠な食事のバランス。東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは、栄養バランスのよい食事に加えて免疫細胞のはたらきを高める栄養素を取り入れることがよいとする。具体的には「タンパク質」「糖質」「脂質」の3大栄養素を過不足なく食事に取り入れることが大切だ。体によいからといって栄養素に偏りがあると免疫力を効率的に高めることが難しくなる。

ふだんの食生活で実践するためには何を気を付けるべきなのか。“バランスのとれた食事”という意味では、「1日3食きちんと食べる」ことが理想的ではある。しかし赤石さんは、現実の生活を考えるうえでの心構えについてこう諭す。

「とはいえ、1日の食事は夕食に偏りがちな人が多いと思います。体内には“体内時計”による生体リズムがあって、本来なら終息へ向かう1日の最後に偏った食事は、体のリズムに合いません。つまり、寝るまでに食べたものをじゅうぶんに消化、代謝ができないので、肥満の一因になってしまいます」(赤石さん)

夜の食事に偏ることが多い現代人は、本来、生まれもっている「体内時計」に抗うことになりその弊害が肥満というわけだ。

赤石さんはこうアドバイスする。「1日の食事量は朝に多く取る、あるいは朝3、昼4、夜3の配分で取るようにしてください」。

じつは、午後10時から深夜2時の時間帯を睡眠にあてると、腸内細菌が活発になるといわれている。そのため、多くの場合、就寝3~4時間前には食事を終わらせ、午後9時以降の食事は避けることがよいという。