腸内フローラを調べる「Flora Scan(R)(フローラスキャン)」という検査が注目されている。この検査は、京都府立医科大学と摂南大学、予防医療に特化した検査サービスを提供する「プリメディカ」社による共同研究で生まれた。同社で広報を担当する佐藤摩耶さんに聞いた。

「近年、腸内細菌が心身のコンディションや生活習慣病などの疾患と関連することがわかってきました。腸内フローラは、おもに大腸に棲息(せいそく)する腸内細菌の集まりで、それがまるでお花畑に見えることからこう呼ばれています。その腸内フローラの状態を知ることが大切だと考えています」(佐藤さん)。

腸内フローラは、菌の種類や量によってバランスが保たれており、状態も1人1人異なっているばかりか、食生活やストレスなどの生活環境の影響を受けるという。

「腸の中には1000種類以上、約100兆個の細菌が存在するといわれています。つまり、腸内環境のバランスが乱れると、便秘や下痢、あるいは感染や炎症を起こしやすくなる。疲労、肌荒れなどさまざまな不調の原因になるともいわれています」(佐藤さん)。

まずは自分の腸内フローラの状態を知ることからというわけだが、どうすれば?

「健康的な生活を送るために、腸内フローラが病気や不調になっている可能性があるかを調べ、食事や運動などの原因を探り、改善策を考えるきっかけとしてこの検査を役立てていただきたいです」(佐藤さん)

検査は採取した便を解析して行うが21年12月以来、現在は450以上の医療機関などで実施されている。