大腸がんは「内視鏡治療」で対応できる早期に発見してほしい、と願っています。

その大腸がんの病期(ステージ)は「ステージ0」から始まり、ステージ1、2、3、4までの5段階になっています。

ところが、「グループ5、がんだといわれ受診しました。私は末期がんで、もう助からないのでしょうか」と言って来られる患者さんも中にはいます。実際、悩み苦しんでいるのが分かる顔つきをされています。ステージ4より進行したがんだ、と思っているのです。これは大きな間違いです。がんはステージ4までで、5はありません。

悩み苦しんで受診されるこのような患者さんは、「生検組織診断分類」と間違えているのです。これは組織検査をした医師の説明不足です。私たち医師は患者さんがきちっと理解できるように説明することが大事です。

生検組織診断分類とは「グループ分類」のことです。グループ分類はグループ1からグループ5までの5つに分かれています。グループ1「正常組織および非腫瘍性病変」、グループ2「腫瘍性か非腫瘍性か判断の困難な病変」、グループ3「良性腫瘍」、グループ4「腫瘍と判定された病変のうち、がんが疑われる病変」、グループ5「がん」です。

このグループ5と言われて、そこから初めて大腸がんのステージが決められていくのです。わかりやすくまとめますと、グループ分類は良性か悪性かを判断するもので、ステージ分類はがんの進行度を示します。

その大腸がんのステージは、0期~4期の5段階で、ステージによって治療は決まります。そのステージによる治療については、次回、説明します。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)