男性に多い「膀胱がん」。それを見つける検査は順を追って行います。「尿検査」で血尿を認めた場合、次に「尿細胞診」「超音波検査」です。そこで、膀胱がんが疑われると精密検査の「膀胱鏡検査」「MRI検査」「CT検査」を行います。これらの検査は前回までに紹介しました。

今回はその次の段階です。ここまでの検査で膀胱がんとわかると、最終的な検査と治療を兼ねた手術「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」を行います。

手術なので膀胱鏡検査のときの軟性の内視鏡ではなく、硬性の膀胱鏡を尿道から膀胱に入れます。硬性膀胱鏡は直径が8ミリで、軟性よりも2ミリ程度太い膀胱鏡です。全身麻酔、もしくは脊椎麻酔で行います。膀胱鏡で膀胱内を確認しながら、がん組織を電気メスで切除。ここでがん組織の根が深いとわかった場合は、筋肉まで削って、それを病理検査で調べます。そして、組織を削った部分は出血するので、電気メスで出血を止め、尿を出す管を入れて手術は終了です。また、上皮内がんの疑いのあるところは粘膜を取ってきて検査を行います。上皮内がんは粘膜下をはうようにできるので見逃されやすいのです。これらの手術は1時間程度で終了しますが、がんが大きいと2時間程度かかることもあります。手術後の組織検査で筋肉にがんが達していると、再度膀胱を取る手術を行うことになります。

最近は、発見が難しい上皮内がんに対して、TURBTを行うときに「光線力学的診断(PDD)」を併用することもあります。この時は、患者さんにがんを光らせる薬を飲んでもらいます。そして、膀胱内で青い光を当てると、がんが赤く光ります。判断が難しかった上皮内がんも、これではっきり診断がつき、上皮内がんを正確に切除できるようになりました。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)