子供の頃、どこにも行けない貧乏な家だった。世界を飛び回れる人間になりたかった。父に大学へ行きたいというと、「勉強するな」と言われた。無性に勉強したくなった。

親に捨てられ、行き場をなくしたぼくを、拾って育ててくれた人は貧乏だった。父は小学校しか出ていない。だから自分の息子も、無理して勉強する必要なんかないと思っていた。医者になりたいというぼくを、受けとめることが難しかった。

あまのじゃくなぼくは、それ以来どんなことがあっても勉強したくなってしまった。

【いつも別解を探した】

勉強するのは、偉くなるため。これが正解なのかもしれない。しかし、これでは心が躍らない。勉強するのは、自由になるため。・・・という別解があることにぼくは気がついた。

恵まれた家庭では決してなかった。だから、正解を目指さなくてもいいと思った。世の中には、別解があるはずと常に思って生きてきた。勉強するのは、自分が置かれた環境から脱し、より自由になるため。これがぼくの別解だ。

【すし屋になる夢】

自由で面白く生きればいい。医学部入試に失敗したら、すし屋になろうと決めていた。すし屋になったら、きっともっと面白く生きていたと思う。世界チェーンのすし屋を作っていたのではないかと思っている。

正解に振り回されず、別解を探して生きようと、17歳の時に決めた。もうすぐ77歳。今もみんなが思っている正解ではなく、別解を探しながら、死ぬときに後悔しないように生きています。