「肺がん」は分類すると10種類以上ありますが、まずは大きく「小細胞がん」と「非小細胞がん」に分けられています。その治療は、がんの「病期分類」をもとに対応します。肺がんの病期分類は、世界中で同じになっています。それはとても良いことなのですが、肺がんの治療となると、小細胞がんと非小細胞がんでは大きく違ってきます。それを知っておくのが重要です。
小細胞がんが胸の中だけに収まっていて、それが1期であれば手術をしますが、手術だけでは終わりません。肺がんの病期分類でも早期の1期「1A1」であっても、小細胞がんは手術の後に抗がん剤での化学療法が行われます。一方、非小細胞がんは1期の「1A3」までは、手術後は経過観察で、抗がん剤は不要です。そして、「1B」期で腫瘍(しゅよう)が3センチより大きければ経口抗がん剤、2期以上であれば全身の化学療法になります。小細胞がんと非小細胞がんの違いで、治療の対応がこれほど大きく違ってくるのです。
近年は、検査機器がどんどん進歩しています。人間ドックでCT検査を受け、すごく小さい腫瘍が見つかった場合、小さくてもがんが疑われるとPET検査を行います。それで「がんだろう」となると、確定診断のために気管支鏡検査や生検(CT下肺生検、外科生検)を行います。外科生検の場合、術中の病理検査で肺がんと診断が確定すると、引き続き治療としての肺切除を行います。また、小細胞がんでは、たとえリンパ節に転移がなくても抗がん剤治療になります。
病期分類はどちらのがんも同じですが、何が大事かと言いますと、小細胞がんか非小細胞がんかは治療を決めるうえで重要です。どのがんかで、治療が大きく違ってくるからです。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

